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2025.05.10

ベトナム産コーヒー豆について

 

ホーチミン市内を散策すればいたるところにカフェがあり、昼夜問わず賑わっているのが非常に印象的です。実はベトナムは世界有数のコーヒー豆の生産国で生産量はブラジルに次いで第2位となっています。今回はベトナムのコーヒー豆についてご紹介します。

 

FAO(国際連合食糧農業機関)の統計によると、2023年の世界のコーヒー豆の生産量は、ブラジルが1位で3,405千トン(全体比30.4%)、続いてベトナムが2位で1,956千トン(同17.5%)となっています。また財務省「貿易統計」によると、日本のコーヒー豆輸入量については、ブラジルが1位で124千トン(全体比35.0%)、続いてベトナムが2位で99千トン(同27.9%)となっています。

 

 

ベトナム国内の主要なコーヒー豆生産地はベトナム中部高原地域のダクラク、ダクノン、ラムドンの3省です。

標高が高く寒暖差が大きいことや、雨量が多く土壌も豊かなことがコーヒー生産に適しており、ベトナム全体の生産量の約8割が生産されていると言われています。

ブラジル産コーヒー豆は世界的にも有名で、日本でもよく見かけると思いますが、ベトナム産というとなじみのない方も多いのではないでしょうか。

それには大きな理由があります。ブラジルで生産されるコーヒー豆の多くはアラビカ種という品種に対して、ベトナムで生産されるコーヒー豆の大半がロブスタ種と、品種が異なるからです。

アラビカ種は、苦味と酸味のバランスが良く薫り高いのが特徴でストレートの飲用に適しており、日本のカフェで普段飲まれているのはこの種のものです。

一方でロブスタ種は、強い苦味と香ばしい香りが特徴です。ロブスタ種単体で飲むと非常に苦味が強く、豆の単価もロブスタ種の方が安いため、日本では缶コーヒーやインスタントコーヒーに加工して使われることが多いです。

ベトナムのコーヒー豆(ロブスタ種)は、日本においてはストレートの飲用に適しておらず加工品に使用されることが多いため、世界第2位の生産国かつ日本では第2位の輸入国でありながら知名度は低いままなのです。

 

そんなベトナム産コーヒー豆ですが、ベトナム国内では苦味の強いロブスタ種を楽しむための飲み方があります。深煎りした豆を濃く抽出したものにシロップやコンデンスミルクを合わせて飲むのがベトナムの一般的なコーヒーの飲み方です。ホーチミンは年中気温が高いためアイスコーヒーにして飲むのが定番です。

味わいは、コンデンスミルクの甘味が全面に出るのですが、徐々にロブスタ種の香ばしさと苦みを感じることができ非常においしかったです。

「Cà phê sữa đá」(ベトナム語)     Cà phê=コーヒー、sữa=コンデンスミルク、đá=氷(アイス)

 

また、ベトナムはコーヒーを日常的に飲む文化が浸透しており、ホーチミン市内の至るところにカフェがあります。小さな個人店から国内のチェーン店、世界的コーヒーチェーンのスターバックスまであります。

左下の写真は「Highlands Coffee」というベトナム最大のコーヒーチェーンです。1998年にベトナム系アメリカ人が設立し、現在では国内に800店舗以上あります。

 

 

今回はベトナム産のコーヒー豆について紹介しました。世界第2位のコーヒー豆生産国で日本にも多く輸入されているにも関わらず、ベトナム産コーヒー豆が日本ではあまりなじみがないのは、品種の違いが理由でした。普段日本で飲むコーヒーとは違った味わいが楽しめますので、ベトナムにお越しの際はぜひ本場のベトナムコーヒーをお楽しみください。

以上

 

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