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2025.01.10

交通違反時の反則金引き上げについて

2025年1月1日より、政府は交通事故の減少と渋滞の緩和を目的として、自動車・バイクの交通違反時の反則金を大幅に引き上げました。昨年ホーチミン市では都市鉄道が開通しましたが、人口1,000万人規模の大都市において公共交通機関は十分ではありません。人々は一般的にバイク・自動車を利用して移動するのですが、交通マナーは良いとは言えず、信号無視や逆走、歩道走行などが日常的に行われていました。今回のレポートでは、反則金の引き上げとその影響についてご紹介いたします。

【反則金一覧】

バイクでは信号無視が6倍、一方通行違反が3倍となり、自動車では信号無視・一方通行違反等が3.3倍、歩行者優先やドアの開閉に関する違反では10倍以上と大幅な増額となっております。

日本の反則金額と比較してもその差は歴然です。

また、ベトナム統計総局によると、2024年上半期のベトナム人労働者の平均月収は750,000VND(約45,000円)となっておりますので、変更後の反則金額は極めて高額な設定となっていることがわかります。

 

【ベトナム政令抜粋】

 

反則金引き上げ後、交通マナーは多少改善し、歩行者は安全に歩けるようになった一方で、自動車で移動するときにはテト(旧正月)前の交通量の増加もあるのか、以前より時間がかかるようになったと感じています。インフラ整備が途上であるがゆえに、今回の渋滞緩和を狙った罰則強化は逆効果となっています。インフラと法整備が両輪で発展していくことが、ベトナムの交通環境の改善につながると思います。

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